では、今日も授業を始める。今日のテーマはSLAとSLOだ。
SLA(エスエルエー)って何?
SLAは、サービスレベルアグリーメント(Service Level Agreement)のことで、
サービス提供者が利用者に対して、どのようなサービス内容で提供するのかを定義した契約のことだ。
SLAは、例えば、サーバーの稼働率であったり、
通信速度、応答時間、障害復旧時間、前提条件、もし基準を満たさなかった場合の料金減額などが書かれていたりする。
SLAを確認すれば、どのようなサービス品質で提供されているか、
サービス提供者と利用者で合意しているサービスレベルが分かるってことね。
SLAを書くのは、サービスを提供している事業者なので、
その事業者がどの程度、詳細にSLAを書くのかで、内容は変わってくる。
例えば、アマゾンが提供しているクラウドサービスのAWS(アマゾンウェブサービス)のSLAは、以下のように記載されている。
https://aws.amazon.com/jp/legal/service-level-agreements/
また、マイクロソフトが提供しているクラウドサービスのAzure(アジュール)のSLAは、以下の通りだ。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/
https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/summary/
SLAは確実に守れることを書かないといけないね。
うむ。サービスを利用する人に対して、約束できる内容を記述するのがSLAだから、その通りだ。
SLAに似た用語として、SLOというものもある。
SLO(エスエルオー)って何?
SLOはService Level Objectiveの略で、サービスレベル目標のことだ。
SLAはサービス品質として、保証するものであるが、SLOはサービスレベルの目標値であり、
サービス品質として保証するものではない、あくまで目標値だ。
参考指標ということね。
例えば、障害の時、何分以内に自動フェイルオーバーさせるという障害復旧に関する内容や、
障害発生を確認してから何分以内に通知することを目標にしたりする。
また、毎日1回バックアップを取得し、何日間保管するのか、
全サーバの稼働率平均値99.99%以上を目標とするなどをSLOとして決めたりする。
SLAは保証しないといけない内容で、SLAを満たすためにSLOで目標を決めるのね。
SLAは保証しないといけないものだから、SLOよりも緩めの基準で定義する。
例えば、1 か月の可用性をSLAで99.9%保証するといった場合、SLOで99.95%というような感じで設定したりする。
サービス提供者は、SLAもSLOも利用者に公開するの?
SLAは利用者に公開しないといけないが、SLOは公開しても公開しなくてもよい。
SLOは、事業者の内部的なものとして、利用者には開示されないこともあるってことね。
うむ。では、今日はここまで。
は~い
1.SLAはサービスレベルアグリーメント
2.SLAはサービス提供者が利用者にどのようなサービス内容なのかを定義した契約
3.SLAを確認すればどのようなサービス品質で提供されているが分かる
4.AWSのSLA: https://aws.amazon.com/jp/legal/service-level-agreements/
5.AzureのSLA:https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/
6.SLAは確実に守れることを書かないといけない
7.SLOはService Level Objectiveの略
8.SLOはサービスレベル目標で、保障はしていない
9.サービス提供者はSLAを公開する
10.サービス提供者はSLOを公開してもしなくてもよい