




では、今日も授業を始める。今日のテーマは、UNIX(ユニックス)とLinux(リナックス)だ。

そもそも、UNIX(ユニックス)、Linux(リナックス)って何なの?

Linux(リナックス)とは、フィンランド人のリーナス・トーバルズ(1969年生まれ)が
開発したOSのことだ。1991年に最初のバージョンが開発された。そこから現在に至るまで、いろいろとOSの機能強化がされている。

Linuxの生みの親がリーナス・トーバルズってことね。

うむ。リーナス・トーバルズは、自分が作ったソースコードを無料で公開して、
自由に使ってくれって公開したんだ。つまり、LinuxはオープンソースのOSで誰でも利用できる。

スゴイ!かっこいい~

OSはすべてオープンソースなの?

ちがう。例えば、Windows(ウィンドウズ)というOSは、
ソースコードが公開されていないOSだ。マイクロソフト(Microsoft)が開発していて、それ以外の企業はWindowsを開発できない。
つまり、Windowsはオープンソースではない。Windowsを使うには費用を払う必要がある。

すべてオープンソースで無料だったら、会社が成り立たないもんね。

リーナス・トーバルズがLinuxをどうやって作ったかというと、
大学や研究機関で利用されていたUNIX(ユニックス)というOSを参考にしながら、新しいOSのLinuxを作った。つまり、UNIXライクなOSだ。

へ~。LinuxはUNIXライクなOSってことね。

うむ。UNIX(ユニックス)は、1969年にアメリカのベル研究所(現AT&T社)が開発したOSだ。
UNIXという名称の商標権は、The Open Groupという業界団体が保有していて、
The Open Groupの認証を受けたOSだけが、UNIXと名乗ることができる。
現在、UNIXには、Solaris(ソラリス)、AIX(エーアイエックス)、HP-UX(エイチピーユーエックス)などがある。

SolarisやAIX、HP-UXっていうOSはどこが作っているの?

Solarisは、サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)が開発したOSで、
2010年1月27日にオラクルが74億ドルでサン・マイクロシステムズを買収したので、
現在のSolarisを所有・開発しているのはオラクルだ。

AIXは、IBMが1986年に開発したOSで、
HP-UXは、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard:HP)社が開発しているOSだ。

UNIXを名乗れないOSはどのようなOSがあるの?

UNIXではない(認証を受けていないため、UNIXと名乗れない)OSのことをUNIXライク(UNIX系)なOSという。
UNIXライクなOSには、FreeBSD(フリービーエスディー)、Linux(RHEL、CentOSなど)などいろいろある。

LinuxもUNIXライクなOSなのね。

うむ。もちろん、細かい点はUNIXとLinuxで違うが、コマンドなどは同じものが使えたり、結構似ている部分が多い。

リーナス・トーバルズがUNIXを参考にして、Linuxを作ったんだから似ていて当然でしょ。

あと、Red Hat Enterprise Linux(レッド ハット エンタープライズ リナックス)は、
RHEL(アール エイチ イー エル)というふうに略されることが多いから、覚えておいて。テストに出すから。
RHELは「レル」と呼ばれることもある。

は~い。

Google(グーグル)が開発したスマホ用OSのAndroid(アンドロイド)もLinuxだ。

UNIXやLinuxは、サーバーのOSとして利用される。
例えば、メールサーバであったり、Webサーバなどは、UNIXやLinuxが多い。

UNIXやLinux以外もサーバOSあるの?

うむ。Windowsには、Windows Serverというサーバ向けのOSも販売されているから、
Windows Serverということもある。でも、Windows Serverは有償になるから費用がかかる。
例えば、CentOSならオープンソースのため、費用がかからない。
サーバOSとしては、WindowsよりUNIXやLinuxの方が多く利用されている。

デスクトップ用のOSであるWindowsと、
サーバ用のOSであるWindows ServerというOSがあるってことでしょ。

あと、ディストリビューションという用語も理解しておいた方がいい。
ディストリビューションとは、「配布」とか「流通」という意味がある。
ディストリビューションは、カーネル+アプリケーションソフトウェアを組み合わせたOSのことだ。
Linuxカーネルは、OSの基本的な中心機能となる部分のことである。
つまり、カーネルだけでは、関連ソフトウェアが入っていないから、利用できない。

RHELやCentOSなどのLinuxは、カーネル+アプリケーションソフトウェアが組み合わされたOSだ。

RHELやCentOSって、ディストリビューションってこと?

うむ。Linuxが配布されている状態のOS(アプリケーションも含む)を、ディストリビューションという。
本来、Linuxというとカーネルのことを指すが、一般的には、Linuxディストリビューションを、Linuxと呼んでいることが多い。

Linuxっていったら、ディストリビューションのことを指すことがほとんどってことね。

その通りだ。

Linuxディストリビューションは、Linuxカーネルに、他のプログラムが追加されたもので、
リーナス・トーバルズが作ったのは、ディストリビューションではなく、Linuxカーネル?

うむ。Linuxカーネルは無償だが、Linux OSは、カーネルに様々なソフトウェアを追加されたものなので、無償ではないものがある。

CentOSやUbuntu(ウブントゥ)は無償だけど、RHELは有償だよね?

うむ。RHELはRedHatが開発している有償のディストリビューションだ。
RHELを利用するには、RHELのサブスクリプション(利用するための権利)を購入する必要がある。
RHELは、サブスクリプションを購入して、サブスクリプション登録をしないと、インターネットからyum installでパッケージのインストールができなくなっている。

RHELを試しに使ってみるときも費用が発生するの?

開発環境での利用なら費用は発生しない。
2016年3月31日から開発者向けに、無償のサブスクリプション「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」が提供されるようになった。

よかった~

RHEL(Red Hat Enterprise Linux)は、企業向けに開発されたOSで、
いろんな企業で利用されている。RedHat社のサポートが充実しているから安心して利用できる。
RHELのクローンOSのCentOSは、オープンソースで無償で利用できるが、
自分たちですべて解決していかないといけない。
基本的な使い方は、RHELもCentOSも同じだ。

これから、OSの中でもサーバのOSとして利用されているLinux(リナックス)を中心に説明していこう。
Linuxでいろいろなことが実装できるようになれば、Linuxエンジニアの仲間入りだ。

は~い
UNIXとLinuxについて:
1.UNIXは1969年にアメリカのベル研究所(現AT&T社)が開発したOS
2.UNIXの商標権はThe Open Groupが保有
3.UNIXにはSolarisやAIX、HP-UXなどがある
4.Linuxは1991年にリーナス・トーバルズが開発したOS
5.2010年にオラクルがサン・マイクロシステムズを買収
6.Red Hat Enterprise LinuxはRHELと略す
7.WindowsにはWindows Serverというサーバ向けのOSがある
8.ディストリビューションは、カーネル+アプリケーションソフト
9.UNIXやLinuxは、サーバーのOSとして利用される
10.CentOSやUbuntuは無償。RHELは有償
11.CentOSは、RHELのクローンOS(ほぼコードが同じ)