では、今日も授業を始める。今日のテーマはCisco(シスコ)だ。
Ciscoって何?
Ciscoは、シスコシステムズという企業(アメリカ)の略称のことだ。シスコシステムズのことをCisco(シスコ)といっている。
Ciscoは1984年に設立された企業で、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器における世界トップシェアのメーカーだ。
大企業や通信事業者、インターネットサービスプロバイダ(ISP)などがCisco製品を使っている。中小規模でもCisco製品を使っているところもある。
Ciscoが作ったルーターとか、Ciscoが作ったスイッチなどのネットワーク機器が有名ってことね。
うむ。Ciscoのスイッチは、Catalyst(カタリスト)という製品名で作っている。
例えば、Catalyst2960、Catalyst3650、Catalyst3850、Catalyst4500、Catalyst9500などの製品シリーズがある。
一般的に、数字の小さい方がエントリーレベル向けで、数字が大きくなると大規模向けで費用も高くなる。
CiscoのCatalystっていったら、スイッチと思えばいいのね。
うむ。ルーターはCisco800、Cisco900、Cisco1000、Cisco4000、Cisco ASRなど、いろいろある。
クライアント端末から、ルーターやスイッチにSSH接続やTelnet接続することができる。
セキュリティを考慮して、非暗号のTelnetではなく、暗号化されるSSH接続ができるように、ルーターやスイッチを設定しておくといい。
クライアント端末から、ルーターやスイッチにSSH接続して、IDとパスワードを入力してログインする。
サーバにログインする時もSSHだから似てるね。Teraterm(テラターム)を使ってSSHで接続すればいいんでしょ。
ログインしたら、どんなコマンドを打つの?
まず、ログインしてから、特権EXECモードになるため、enableコマンドを入力して、[Enter]を押す。
略して、enと入力して、[Enter]を押してもいい。特権EXECモードになると、プロンプトが#になる。
これで、showコマンドでの設定確認や、設定変更ができるようになる。
show clockと入力して[Enter]を押すと、機器に設定されている時間が表示される。
sh clockと短縮してもよい。
# enable
# show clock
次に、show runと入力して[Enter]を押すと、現在のConfig(コンフィグ)が確認できる。
sh runでもよい。略さずに、show running-configとしてもよい。現在の設定ファイルがrunning-config(ランニングコンフィグ)だ。
Config(コンフィグ)って何!?
機器の設定ファイルのことをコンフィグという。現在のコンフィグレーションファイルだ。どのような設定内容かそれを見ればわかる。
show startup-configと入力して[Enter]を押すと、Cisco機器を起動したときに読み込まれるConfig(コンフィグ)が確認できる。
Configルータやスイッチの電源がONになったり、再起動したときに読み込まれる設定ファイルがstartup-config(スタートアップコンフィグ)ってことね。
スタート(起動)するときのファイルだから、startup-configなのか~。起動後に設定変更したら、running-configに設定が書かれるの!?
うむ。設定変更すると、running-configに設定が書かれて、startup-configには設定が書かれない。
この状態で機器を再起動すると、startup-configが読み込まれて起動してくるから、設定変更した内容が反映されずに起動してくる。
設定変更した後は、現在のコンフィグのrunning-configを、起動時のコンフィグのstartup-configにコピーする必要があるのね。
うむ。設定変更したら、copy running-config startup-configと入力すれば、
機器を再起動しても、設定変更した内容が反映されて、起動してくる。copy run startと入力してもよい。
昔のコマンドのwrite memoryと入力しても保存できる。wr memでもwrでもいいです。
Ciscoの認定資格試験では、copy running-config startup-configと入力した方がよい。
Ciscoの
running-configはRAM(ラム)というメモリ領域に保存されていて、startup-configはNVRAM(エヌブイラム)というメモリ領域に保存されている。
RAMは電源を停止すると、設定情報が消えてしまうが、NVRAMは電源を停止しても設定情報は保持される。
メモリ領域は、RAM、NVRAM以外に、ROM(ロム)とフラッシュメモリがある。
ROMには機器が起動するときに実施されるハードウェアチェック(POST:ポスト)などのプログラムが保存されている。
フラッシュメモリには、CiscoのOS(オペレーティングシステム)であるCisco IOS(アイオーエス)のイメージファイルが保存されている。
sh run(ショー ラン)すると、画面の1番下に--More--が表示される。
24行目で--More--と表示されるようになっている。スペースキーを押せば、次の24行分が見れる。
[Enter]を入力すれば次の1行分が進む。
--More-- は24行ごとに表示されるのね。一度にすべて表示できるようにできないの!?
以下のコマンドで、24行ごとではなく、一度にすべて表示されるようになる。
# terminal length 0
terminal length 0(ターミナル レングス ゼロ)ね。
略して、ter len 0でもいい。
# ter len 0
ter len 0(ター レングス ゼロ)ね。
一度に表示したい行数があれば、以下のようにすればいいが、あまり使わない。
terminal length 0と入力したときは、--More--の機能が無効になると思えばよい。
#terminal length <表示する行数>
ログをみるときは、show log で見れる。show techすると、いろいろな設定情報を確認して表示する。このshow techは
障害が発生して、ベンダーに調査を依頼するときなどに、ベンダーから情報確認のため、show techの結果を送付してくれと言われることがある。
show logでログをみたときにログの時間に注意した方が良い。必ず、show clockをして、
現在の時刻と、機器の時刻(show clockの結果)がズレていないかをチェックするように。
もし、機器の時刻がズレていたら、そのズレている時間の差を考慮して、何日の何時に出たログなのか確認する必要がある。
よく使いコマンドは以下の通りだ。
# terminal length 0
# show run
# show log
# show clock
# show version
# show int status
以下のCiscoのコマンド一覧を参考にするといい。
Ciscoコマンド一覧
では、今日はここまで。
は~い
1.Ciscoはシスコシステムズという企業の略称
2.Ciscoは1984年に設立された
3.Ciscoはルーターやスイッチの世界トップシェアメーカー
4.Ciscoのスイッチは、Catalystという
5.enableコマンドで特権EXECモードになる
6.よく使うコマンド:
# enable
# ter len 0
# show log
# show clock
# show version
# show int status
# show run
# copy run start
7.コンフィグとは機器の設定ファイルのこと
8.running-configはRAMに保存される
9.startup-configはNVRAMに保存される