では、今日も授業を始める。今日のテーマはMariaDB(マリアデービー)だ。
MariaDB(マリアデービー)って、この前でてきたリレーショナルデータベース(RDB)だよね。
うむ。MariaDBは人気のあるオープンソース(OSS)のRDBMSだ。
リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェアね。
MariaDBは、「MySQL(マイエスキューエル)」から派生したオープンソースリレーショナルデータベースだ。
MySQLの創始者のマイケル・ウィデニウス氏(通称:Monty)が、MySQLのフォーク(派生)として、MariaDBを2009年にリリースした。
とても人気のあるデータベースサーバだ。
なんで、ウィデニウス氏は、MySQLもMariaDBも作ったの?
それはMySQLの歴史に大きく関係している。前回の復習になるが、
当時、スウェーデンのTcXという小さな会社でデータベースに関する仕事をしていた1995年にマイケル・ウィデニウス氏がMySQLというRDBを作った。
そして、2000年にMySQL専門の会社として、スウェーデンにMySQL Ab社を設立した。
MySQLは世界で大人気のRDBとなったんだけど、その後、2008年にサン・マイクロシステムズ社にMySQL Ab社が約10億ドルで買収されてしまう。
そこで、ウィデニウス氏は2009年にサン・マイクロシステムズ社を退社して、MariaDBを作った。
MySQLの会社が買収されたから、MariaDBを作ることになったのね。
うむ。その後、2010年にOracle(オラクル)が74億ドルでサン・マイクロシステムズ社を買収したため、
現在、MySQLはOracleの所有となっている。
MySQL Ab社をサン・マイクロシステムズ社が買収して、そのサン・マイクロシステムズ社をOracleが買収したってことね。
うむ。サン・マイクロシステムズ社に買収、Oracleに買収されたことで、
MySQLの初期開発メンバーは離れていき、Monty Program Ab(フィンランド)や、SkySQL Ab(フィンランド)という会社を設立した。
この2社が2013年に合併して、新しいSkySQL Abとなり、
2014年10月に、SkySQL Abが社名変更して「MariaDB Corporation」になった。
MariaDBは、2012年にウィデニウス氏が設立した非営利団体の「MariaDB Foundation」
にMariaDBの所有権を移して、現在、「MariaDB Foundation」と、「MariaDB Corporation」によって、MariaDBが開発されている。
MySQLの初期開発メンバーは、MariaDB Corporationで、MariaDBを開発してるってことね。MariaDBの歴史ってスゴイね。
あと、どのようにMySQLとMariaDBの名前が命名されたかというと、
MySQLの「My」はマイケル・ウィデニウス氏の長女の名前(My(ミー))から取られたもので、
MariaDBの「Maria」も次女の名前(Maria(マリア))から命名された。
MySQLと、MariaDBは、こういう意味でも姉妹データベースだ。
MySQLとMariaDBってスゴイ。
MySQLはOracleが所有で、MariaDBはMySQLをベースに作られたから結構似ている。ほとんど基本的な使い方は同じだ。
MySQLとの互換性は、MySQL5.1は、MariaDB5.1~5.3と互換性があり、
MySQL5.5は、MariaDB5.5と互換性がある。ほとんどはMySQLと似ているが、細かい部分で違うところがある。
MariaDBのバージョンは、5.1 → 5.2 → 5.3 → 5.5 → 10.0 → 10.1 → 10.2 → 10.3 → 10.4(2019年2月時点) と進んできている。
バージョン5.5から一気にバージョン10.0になったのは、
5.5までは、MySQLとの互換性が重視されていたが、MariaDB 10では独自の新機能が導入がされた。
徐々にMySQLとMariaDBの違いは大きくなってきているってことね。それぞれ違う会社で開発されているから当然ね。
MariaDBには5系と10系の2つのバージョンがあるってことね。
MariaDBは、Linux、Windows、macOS、UNIXなどで動作する。
MariaDBは、MySQLと違ってOracle社などの関与がない純粋なオープンソースだ。
MariaDBのライセンスは、GPL v2 ライセンスになっていて、無償で利用可能だ。
MySQLを使ってたところは、MariaDBに移行していくの?
Red Hat Enterprise Linux7以降、Fedora19以降、Ubuntuなどの多くのLinuxディストリビューションが
MySQLに代わってMariaDBが採用されるようになった。
検索エンジンのGoogle(グーグル)やWikipedia(ウィキペディア)やFacebook(フェイスブック)が、MySQLからMariaDBに置き換わったというのもニュースになった。
MariaDBってスゴイ人気あるね。
MySQLがOracleに買収されたため、MySQLの今後を心配した企業は、MySQLからMariaDBへ移行している。
時系列にまとめてみたー。
1995年 MySQLがリリース
2000年 MySQL Ab社が設立
2008年 サン・マイクロシステムズがMySQL Ab社を買収
2009年 MySQLをフォークしたMariaDBがリリース
2010年 Oracleがサン・マイクロシステムズを買収
→MySQLはOracleの所有になった
※MySQLを作ったメンバーはMonty Program Abや、SkySQL Abへ。
2012年 非営利団体の「MariaDB Foundation」にMariaDBの所有権を移す
2013年 Monty Program AbとSkySQL Abが合併
→社名はSkySQL Abの方が引き継がれる
2014年 SkySQL Abが「MariaDB Corporation」に社名変更
→MariaDBの開発は、「MariaDB Foundation」と
「MariaDB Corporation」が実施
では、今日はここまで。
は~い。
1.MySQLは1995年に初期版リリース
2.MySQLの所有権はOracle(オラクル)
3.MariaDBは2009年にリリース(MySQLとほとんど同じコード)
4.Google、Wikipedia、FacebookはMySQLからMariaDBへ移行した
5.多くのLinuxディストリビューションが MySQLに代わってMariaDBを採用